『24H365DAYS』のblogを終え一ヶ月が経過した…
事前にblogを休止することを伝えていなかったせいか、「忙しくて更新出来ないんですか?」「終わりってことですよね?」等などけっこうな数の方から質問を寄せられた。
どこから話せばいいか悩むが、今回のblogは正直見切り発車で始めたもので、終着点は考えていなかった。場所も距離も方法も。
以前にもお話ししたが、皆様の『左クリック』の甲斐あってほんとにアクセス数が落ちることなく、ムラなく、少しづつアクセス数を増やしていくことが出来ました。でもそんな「数値」なんかどうでもよくて、皆様からのダイレクトな意見や感想が一年続けてこれたいちばんの要因です。
では一年でblogを休止した理由はというと、第一に『疲労』である。正直に。blogを続ける精神状態を維持出来なくなってしまったこと。一冊の本をつくる気持ちで毎回blogに『想い』を綴っていたから、自分自身に対し小さな犠牲をいくつも生んでいた。その分得られたものもいくつもあったが、今の僕が最優先しなければいけないものを最優先出来なくなるのが恐かった。それとblogを始めることで新たな出会いを期待していたのだが…
実際にお会いすることが出来なくてもいい、一方通行でもいい。例え、blogの中だけの限られた出会いでも僕は良かった。実際この一年でほんとに多くの方と出会うことが出来ました。新しい出会い、改めた出会い、奇跡かと自分では思えるくらいblogを介したくさんの方と出会うことが出来ました。ほんとに。でもひとつだけ誤算があって、それは『西谷は遠い人』と感じる人もいたこと。
blogを始めみなさんとの距離を縮めたかったはずが、逆に距離が出来てしまったこと…今更だが僕は凄くないし、特別でもない。もちろんトップでもなければ、カリスマなんてことは微塵もない。やっぱり僕はポップ、『庶民的』でいたい。トップを目指す、そう在りつづけることはもちろん大事、でも僕は死ぬまで本気でバリスタでいたいと思ってる。そのためにもトップ、ではなくポップでいたい。一瞬の輝きよりも永遠の灯でいたいと思っている。だから個人的には残念に思うこともあったりして。でもやっぱりみんなに出会えて良かった!それがいちばん前にある僕の素直な気持ち。
だから、「みんな ありがとう。」
『24H365DAYS』はこれでほんとにおしまい。また自分の体調、周りの環境と相談して年内に新しいカタチでblogをスタートしたいと今は思っています。またその時は『左クリック』から始めましょう。Makkiato最頼のパートナー川平君を始め、blogに登場していただいたPIECEFULな者達、ほんとにありがとうございました。
最後に皆さんへ嬉しい!?お知らせが。
実は、実は川平君と新しいバリスタサイト立ち上げちゃいました。今度はバリスタのあなた、あなたと一緒につくるサイトです。
Barista Makkiato
純粋に、みんなが今より少しだけ幸せになれるようにと願いを込め、つくりました。
2009.8.1 START!!!
これからも川平、西谷、そして『Makkiato』をよろしくお願いいたします。
Makkiato is our LIFE .
昨年の夏7月1日にblogをスタートさせ今日で丸一年、365日。
全129話、これまで僕を成長へと導いてくれた様々な『者』や『物』を紹介し、また恥ずかしいくらい正直に、真っ直ぐにバリスタへの想いを綴ってきた。
「24時間。365日。僕は、バリスタでありたい。」
『24H365DAYS』、今回で終わりを迎える…
今から4年くらい前だろうか、僕は南青山にあるカフェで働いていた。いや、働かせてもらっていた。理由あって、バリスタの仕事が出来ない頃そのカフェの店長に一緒に働こうと声をかけて頂いた。当時僕が最も憧れていたバリスタでもあった。もしその時その方と仕事をしていなかったら今の僕はいないし、冗談抜きで僕は今バリスタでなかったと思っている。
その頃僕は将来の自分、バリスタの未来に不安を抱いていた頃でもある。
当時の僕を知る人は少ないだろうが、正に24時間365日バリスタの為に時間と金を消費していた。カフェでの仕事を核に毎週地方へ出稼ぎに行っていた、もちろんバリスタとして。休みの日は昼にイタリア語の学校へ、夜はバーテンダースクールに通い、バリスタ漬けの日々を送っていた。
きつかった。たのしかった。
いろいろやれることはやっていたし、多少の無理やわがままを自分で良しとしていた。おそらくいろんな人に迷惑をかけていたと思う。
バリスタを始めこの7年もの間、僕がいちばん変われた、成長出来たのは間違いなくその頃だろう。エスプレッソ、カプチーノ?サービス?洋酒にカクテル?知識、技術、経験…そんなことはどうでもいい、いつだってどこだって学ぶことは出来る。当時の僕がいちばんに学んだことは『人』。人としてどうあるべきか、人とどう付き合うかを何より学ばされた…
当時僕にはうまく付き合えない仲間や、わがままを言うお客様を受け入れることが出来ないことが多々あった。ある時僕は店長に他を否定するかのように、愚痴をこぼした。店長は直ぐにこう答えた…
「先ずは許すことから始めよう。気に食わない従業員を諦めるのではなく、先ず許してあげる。無茶を言うわがままなお客さんも先ず許してみる。自分の中で許すことが出来れば、その先にある何かが必ず見えてくる。そこで諦めるのはもったいないことだよ。先ずは相手を許すことから始めてごらん…」
僕は自分を恥じた、自分の人としての器の小ささを痛感した。
その日から現在の今まで、僕は何事にも許すことから始めている。様々な者や事実を許し、その先にある何かを見る為に。
僕がお世話になっていたその店は現在は存在しない。汚い大人の事情で僕らは皆離れ離れになってしまったのだ。あんなにもお客様と従業員がひとつとなり、店が活気に溢れていたのは僕史上そのカフェだけだ。
僕は当時の仲間に感謝している、僕の誇りだ。そしてそこで出会ったたくさんのお客様とも、今も変わらずお付き合いさせて頂いている。
バリスタが出来ない僕を救ってくれた、人ととして大切なことは何かを教えてくれた、今も尚僕をやる気にさせてくれるいちばんの仲間。
僕のいちばんのバリスタ、『金井暁』。
相手を許すこと、それは限りなく『愛』に近いのだ。
そして許した先に見える『者』、それは成長した自分自身ではないのかと僕は思う。
僕はこのblogの中で何度も『成長』という言葉を使ってきた。おそらく僕にとっていちばん大切なことなんだと思う。『死』に向かう人生の中での生き甲斐、それは自分を産んでくれた両親へ自分の成長を見てもらうこと。自分が両親に出来るいちばんの恩返し、それは『成長』すること。だから僕はそれを止めない…
金井暁の『Caffe' macchiato』、
僕の心に付いた『愛』という染みは永遠に消えることはないだろう…